ユネスコ登録、秋田の「なまはげ」ってどんなお祭り?他に登録されたお祭りは?
2018年、秋田県男鹿半島のなまはげがユネスコ無形文化遺産に登録されたニュースを見たことがある人は多いでしょう。赤と青の鬼の仮面を被った人たちが包丁を持って歩き回る姿はとてもインパクトが強いですが、それが何を意味するのか知っていますか?
今回は無形文化遺産に登録されたなまはげについてと、なまはげと一緒に登録された日本のお祭りについて紹介していきます。ぜひこれを機に、男鹿半島に生のなまはげを見に行ってみてはいかがでしょうか。
なまはげが無形文化遺産に登録
その当時、日本国内だけで8県、合計10件の伝統行事が無形文化遺産に登録されたニュースは世間を騒がせましたが、無形文化遺産とはそもそも何かご存知でしょうか。
無形文化遺産とは、ユネスコが伝統行事や伝統工芸を保護する目的で、2003年から登録が始まり、日本ではこれまで歌舞伎や能楽、和紙の技術など計21件が登録されてきました。海外ではイタリアのピザ職人の妙技やスペインのフラメンコなどが登録されており、世界では399件が登録されています。
実は秋田県のなまはげは2011年にも日本から推薦されていましたが、そのときは残念ながら登録されなかった経緯があります。今回再挑戦によって登録されたため、その喜びはひとしおでしょう。今回登録されたことで、少子高齢化による担い手不足の解消の糸口になる他、ユネスコのロゴが使えることになります。秋田県男鹿市はこれまで、なまはげを観光客の誘致にあまり活用していなかったのですが、これを機に乗り出すようで今後は見学ツアーなども企画しているそうです。
なまはげとは?観光できるの?
一度見たら脳裏から離れそうもないなまはげですが、実際にはどんなお祭りなのでしょうか。なまはげは大晦日の晩にそれぞれの集落の成人男性がなまはげの格好をして「泣く子はいねが~」と叫びながら地域の家を巡る行事です。これは何をやっているかというと、怠け心をいさめるのと同時に無病息災や五穀豊穣を祈って行っているのです。なまはげの語源も、囲炉裏で長く暖を取っているとできる手足の火型(これを方言で「なもみ」)ができますが、その怠け心を戒める「なもみ剥ぎ」が「なまはげ」になったと言われています。そのルーツは諸説あり、「漢の武帝説」「修験者説」「山の神説」「漂流異邦人説」などがあり定かではありません。ちなみに江戸時代の書物の中にはなまはげの絵と詳細な解説が残っているため、少なくとも江戸時代から続く行事であることは確かです。
そんな「なまはげ」は体験することもでき、男鹿市には150枚を超えるなまはげの面が展示されている「なまはげ館」があります。施設の中にはなまはげのお面や衣装を身につけることができる「変身コ―ナー」も用意されています。隣接する男鹿真山伝承館では、大晦日の夜に実際に行われているなまはげ習俗の実演を体験することも可能です。男鹿駅からなまはげ館までは一人から使える「あいのりタクシーなまはげシャトル」が走っているので、ぜひ活用してみましょう。
なまはげと一緒に登録された地方のまつり
今回無形文化遺産に登録されたのは、なまはげだけではありません。なまはげと同じように仮面を被った来訪神が訪れる全国の伝統行事が10件登録されました。それらの行事は以下の通りです。
・吉浜のスネカ(岩手県大船渡市)
・米川の水かぶり(宮城県登米市)
・遊佐の小正月行事(山形県遊佐町)
・能登のアマメハギ(石川県輪島市・能登町)
・見島のカセドリ(佐賀市)
・甑島のトシドン(鹿児島県薩摩川内市)
・薩摩硫黄島のメンドン(同県三島村)
・悪石島のボゼ(同県十島村)
・宮古島のパーントゥ(沖縄県宮古島市)
国内にこれだけ似たような伝統行事がある理由は定かではありませんが、どの地域も比較的に沿岸部に集中していることが注目されています。昔の人は海の向こうから何かがやってくると考えていたと指摘する専門家もいるようです。これまでも無形文化遺産に登録されたことで集客に成功している事例もあるので、今回登録された伝統行事も今後観光客が増えて賑わうことが予想されます。
日本中の無形文化遺産を見に行ってみよう
今回は、秋田県男鹿半島のなまはげについて詳しく紹介しましたが、無形文化遺産に登録された他の伝統行事はどれもユニークで見応えがあります。伝統行事なので時期は限られますが、どの地域も今後は観光客の誘致に乗り出すことが予想されるため、これまでよりも体験しやすくなるでしょう。ぜひ時期を見て、全国で行われる来訪神の伝統行事を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ホテルパールシティ秋田川反
住所:秋田県秋田市大町3丁目4−18