四国八十八か所、お遍路へGO!一周するのに何日かかる?
1,200年も昔、弘法大師は人々の災難を取り除くために、八十八の霊場を開きました。その八十八の霊場を弘大師亡き後、弟子たちがその遍路を辿ったことが「四国八十八か所」の始まり。その後江戸時代、庶民の間で熊野詣でや善光寺参りなどの寺社巡礼が大変流行し、四国八十八か所が庶民の間にも広がっていきました。そんな四国八十八か所とはどんなものなのでしょうか? 一周するのに何日かかるのでしょうか? 今回はそんな気になる四国八十八か所・お遍路についてご紹介します。
四国八十八か所・お遍路とは?
さて、弘法大師の霊場を辿る四国八十八か所のお遍路ですが、どのようなルートでまわり、どれくらいの時間がかかるのでしょうか。また、お遍路を行うときはどんな持ち物を持っていくと良いのでしょうか。知っておくと便利な四国八十八か所・お遍路の情報をみていきましょう。
四国八十八か所お遍路の順番
お遍路にはとくにまわる順番などはありませんが、一番札所から順番にまわる「順打ち」と呼ばれるまわり方が最も一般的です。スタートとなる一番札所は徳島県の霊山寺。徳島県には合計23か所の札所があり、続いて高知県で16か所、愛媛県で26か所、最後に香川県で23か所の札所をまわって結願(けちがん)となります。結願とは、お遍路を八十八か所まわり煩悩がなくなり願いが叶うこと。全行程1,450キロメートルの四国八十八か所が終了となります。
お遍路は全部で何日かかる?
四国八十八か所のお遍路には全ての行程を歩いてまわる「歩き遍路」の他に、自家用車を使う方法や、バスなどの交通機関を使ってまわる方法もあります。歩き遍路の場合、休憩なしで毎日歩いた場合50日前後かかるでしょう。自家用車やレンタカーを使ってまわる場合は、10日ほどかかります。バスや鉄道を使う場合は3週間ほどかかると見積もっておいた方が良いでしょう。
ただ、車の場合は巡礼のペースを上げることができれば、1週間ほどで巡ることもできるようです。この場合、車幅ギリギリの山道を通る場所があったり、ロープウェイなど車だけでは行けない場所があったりするので急ぎすぎには注意が必要です。お遍路の計画はスケジュールにできるだけ余裕を持って立てることをおすすめします。
四国八十八か所お遍路にかかる費用
四国八十八か所にかかる費用は、歩き遍路の場合、宿泊費を含むとだいたい50万円ほどかかります。内訳は宿泊費や食事代、それからご朱印代です。公共交通機関を利用すれば費用は半分ほどの25万円程度。八十八か所全てをまわる訳ではありませんが、東京発で3万円〜のバスツアーもあるようです。やはり自分たちで回りたいというのであれば、空港からレンタカーで巡ることも可能。この場合、レンタカーの費用によりますが、公共交通機関を利用するよりも値は張るものの早く回ることはできます。
四国八十八か所お遍路の持ち物
歩き遍路の必需品は、お金、携帯、時計、常備薬、携帯トイレ。必ず揃えなくてはいけないものではありませんが、お遍路に参加する人の多くは菅笠、輪袈裟、数珠、金剛杖、白衣などを一般的に身につけており、はたから見てすぐにわかる格好をしています。また、長距離を歩くので靴は歩きやすいものを選びましょう。雨具や防寒対策着、水筒も必需品です。バスツアーなどの場合は必要なものがあれば途中で買い足すことができるので、必需品だけあれば十分です。
四国八十八か所のルール
四国八十八か所を行う際に使う金剛杖。長距離を歩くお遍路で役に立つ杖ですが、橋の上ではついてはいけません。橋の下にはお大師さまが眠っていると言われており、金剛杖をつくとお大師さまを起こしてしまうためです。また、金剛杖はお大師さまの分身ですので、宿に着いたら丁寧に洗うようにしましょう。さらに、地元の方や同じお遍路をまわっている方々とすれ違うときには、挨拶をするのがマナーです。
徳島県の見どころ
徳島県のお遍路の名所は、やはり第一札所の霊山寺です。四国八十八か所の一番の札所と言うことで親しみを込めて「一番さん」とも呼ばれています。本尊には釈迦如来がまつられており、本堂の灯篭にあかりが灯る様子は幻想的でついつい見とれてしまうほど。門前一番街にあるお茶席コーナーで食べられる「あわくった」は素朴な味のお餅で絶品です。
高知県の見どころ
高知県のお遍路の見どころは、金剛界大日如来坐像が拝める第28番札所の大日寺です。大日寺の大日如来像は約146センチと四国最大級。奥の院の湧き水である「大師加持水」は土佐の名水40選にも選ばれています。十月桜やしだれ桜など季節ごとに異なる花が咲き誇る境内も見どころです。
愛媛県の見どころ
四国八十八か所、愛媛県の見どころは国宝や重要文化財が多く納められている第51番札所の石手寺。鎌倉時代に造られた二王門は国宝に指定されており、他にも重要文化財の護摩堂や鐘楼など名所も豊富です。また、1キロメートルほど離れたところに日本最古の温泉である道後温泉もありますので、一休みするのにも最適。寄り道も楽しむことができます。
香川県の見どころ
四国八十八か所における香川県の絶対に訪れておきたい札所は、お遍路の最後の札所でもある大窪寺です。大窪寺は四国八十八か所における結願のお寺で、何と言っても昭和34年創業の「八十八庵(やそばあん)」は絶対に訪れたい名所。八十八庵の名物の讃岐うどんは、お大師さまの霊水で練り上げた絶品で、お腹も心も温まります。
四国八十八か所、お遍路を回ってみよう!
今回は四国八十八か所についてご紹介しました。弘法大師が人々の苦悩を取り除くために開いた八十八か所の霊場。それぞれの霊場にそれぞれの言い伝えや見どころがありますので、お大師さまの想いに心を寄せながら巡ってみるのも一つの楽しみ方でしょう。仕事が忙しくてまとまった時間がとれない方は、今回はこことここ、次回はこの札所までと、何度かに分けて巡礼するのもおすすめ。少しずつ目標が近づいていき、時間をかけて巡りきったときの達成感はひとしおでしょう。「いつかはしてみたい」四国八十八か所・お遍路巡り。ぜひ実現させてみてはいかがでしょうか。