冬の知床の見どころは？外せないイベント＆アクティビティ特集について詳しくご紹介

自然豊かな北海道の中でも「日本最後の秘境」と言われるほどの大自然が広がっているのが「知床」です。知床はアイヌ語で地の果てと言う意味を持つ「シリエトク」が語源であるとされ、非常に希少な動植物が多く生息する地として知られています。2005年に世界文化遺産に登録され国内外で高い知名度を誇る知床ですが、その見どころとしてどんなものがあるのでしょうか。

4月であっても真冬並み!? 北海道知床の冬は長い！

北海道の北東端に位置する知床は、非常に寒冷な地域です。4月であっても平均最高気温8℃、平均最低気温-0.4℃と、寒さは真冬並み。当然、本格的な冬シーズン（12～3月）は、雪と氷に覆われた世界が広がります。この時期の最高気温は日中であっても-5～3℃程度にしかならず、夜間などは-20℃まで下がることも珍しくありません。夏は避暑地として人気を集める地ですが、冬に訪れる際には防寒準備を完璧にしておく必要があるでしょう。

こうした環境の中でも、知床にはこの地域以外ではほとんど見られない、数多くの野生動物が生息しています。中でも代表的な野生動物がエゾシカです。ニホンジカの亜種としては最大級の大きさを誇るエゾシカは、北海道のみでしか見ることはできません。暖かい時期はエゾシカの体毛は一般的な茶色ですが、冬は灰褐色の美しい色に変わります。灰褐色のエゾシカは雪景色に非常に映えるため、冬に知床を訪れる際は一度見ておきたいところです。

海が氷で覆いつくされる！冬の知床と言えば「流氷」

冬場は極寒の地と化す知床ですが、寒さもピークを迎える2月ごろになると多くの観光客が訪れます。その理由は「流氷」です。1月半ばになると、オホーツク海から知床半島へ流氷がやってきて、海を覆いつくします。流氷は日本海や太平洋で発生することはなく、知床が面しているオホーツク海のみで発生するのが特徴です。流氷が発生する理由には「シベリアの寒気」「塩分濃度の低い水質」「オホーツク海の地形」などが考えられています。いずれにしても、流氷が見られる知床は世界的にも珍しいスポットなのです。

冬の知床では、流氷を楽しめる数多くのイベントやアクティビティが用意されています。その中でも代表的なものを、いくつか見ていきましょう。

流氷ウォーク

最近注目を集めているアクティビティが「流氷ウォーク」です。内容は、ブーツ一体型となっている専用のドライスーツを着用して、流氷の上を歩くのがメインの、誰もが楽しめるもの。ドライスーツを着ているため、真冬の海に落ちたとしても問題ありません。氷の上に立って眺める景色は、まさに絶景です。流氷ウォークを目当てに海外から来日する外国人も多く、2018年には国内外から1万人もの人々が参加するほどの盛況ぶりでした。

流氷フェス

流氷がやってくる季節、知床では観光協会が主催する「流氷フェス」が知床国設野営場で開催されます。フェスでは流氷のライトアップが実施される他、地元産にこだわった飲食物が振る舞われるのもポイントです。たき火スペースなども用意されており、厳しい寒さをしのぐのにも大変役立ちます。

流氷・バードウオッチングクルーズ

知床に冬の到来を知らせるのは流氷だけではありません。国の天然記念物に指定されている「オオワシ」や「オジロワシ」も、この時期になると知床にやってきます。そんなワシたちの様子をクルーズ船に乗りながら眺められるのが「流氷・バードウオッチングクルーズ」です。流氷の上に無数のワシが留まっている姿は大変珍しく、写真家や鳥愛好家たちが多く参加しています。

知床を踏みしめたい方におすすめのツアー

冬の知床を自分の足で踏みしめたいのであれば、おすすめは「知床五湖ツアー」です。知床の代表的なスポットである知床五湖は、以前まで冬の立ち入りは制限されていました。しかし、現在はガイドつきのツアーであれば、訪れることができるようになっています。夏の間はたどり着けない場所にも行けるため、より深く知床五湖を知ることができるでしょう。流氷を一望できる断崖に行けるのも、大きなポイントです。

ツアーでは、自分たち以外に人の気配を全く感じない白銀の大自然の中、知床五湖を目指し歩いていくのがメインの内容となります。ツアーコンセプトは「静寂を楽しむ」であり、実際自分たちの歩く音以外は、水のせせらぎや野生動物の鳴き声が聞こえるのみ。普段都会の喧騒の中で生活をしているのであれば、そのギャップが大きな魅力となるでしょう。

知床の冬は新たな発見が盛りだくさん！

厳しい寒さで知られる知床ですが、流氷をはじめ冬の知床でしか見ることができない自然は非常に魅力的です。都会では得ることができない新たな発見をしたいのであれば、防寒準備をしたうえでぜひ冬の知床を訪れてみてください。