東北=豪雪地方は間違い!?東北で積雪の多い地域・少ない地域
冬の東北地方は、どこも厳しい寒さと深い雪に覆われていると考えてはいませんか?確かに、関東の平野部に比べると寒さも積雪もレベルが違う東北ですが、なかにはそれほど降雪量が多くない地域もあります。東北旅行での宿泊場所や移動手段を考えるなら、まず雪の多い地域と少ない地域を知っておきましょう。
積雪量に差が出る理由
東北地方は、日本のほかの地方と比べると冬の平均気温が低く、積雪も多いことで知られています。しかし実際は南北に伸びた奥羽山脈を境に、太平洋側と日本海側で気候が大きく異なり、東北南部の太平洋側ではほとんど雪が降らない年も珍しくありません。
冬の東北地方には日本海の北西から冷たい寒気が流れ込んできます。シベリア方面から来た冷たい寒気は、暖かい日本海を渡る際に水分を蓄えますが、奥羽山脈にぶつかるときに雪雲が発生し、日本海側や内陸の山沿いに大雪を降らせるのです。雪を降らせた雲はその後水分を失うので、太平洋側は雪が降っても積もるほどではありません。
また、日本海側はどんよりとした曇りの日が多い一方、太平洋側は乾いた晴天が続くのも冬の東北地方の特徴です。宮城県や福島県の太平洋側は天気が安定していますが、太平洋を爆弾低気圧が通過すると猛吹雪に見舞われることもあります。
積雪の多い地域
ここでは日本海側や内陸の山間部にある地域の中でも、法制度上で「特別豪雪地帯」に指定されている、とくに積雪の多いエリアをご紹介します。お出かけの際は交通機関の運休やダイヤ乱れを見越したゆとりのあるスケジュール設定と、早めの行動が肝心になるでしょう。
青森県内陸部
青森県は県全域が豪雪地帯に指定されていますが、とくに雪が多いのは奥羽山脈に沿った青森市や黒石市、五所川原市などの地域です。筋肉痛や関節痛にいい温泉として知られる酸ヶ湯(すかゆ)は2013年に日本の観測史上最大の積雪量566cmを記録した青森屈指の豪雪地。冬に酸ヶ湯温泉を訪ねる際は、旅館の送迎バスなど雪道に慣れた現地のベテランドライバーを頼ると安心です。
秋田県東部
秋田県では、焼きそばで有名な横手市の一部や、田沢湖を擁する仙北市などが特別豪雪地帯に指定されています。横手市では毎年2月に「みちのく五大雪まつり」の1つである「横手かまくら」が開催されるので、豪雪地帯ならではの冬を体験したい方は詳細をチェックしてみましょう!
山形県全域
日本海側の山形県は、県内のほぼ全域が「特別豪雪地帯」に指定されています。とくに肘折温泉を擁する最上郡や、西村山郡、尾花沢市は積雪量が多く、山形県の年間降雪量を大きく引き上げる要因となっています。
尾花沢市の銀山温泉では、木造の宿と真っ白な雪がガス燈に照らされた雰囲気のある雪景色が楽しめます。温泉にゆっくり浸かって冷えた体を温めてもいいですね。
福島県西部
福島県は宮城県の南に位置していますが、東西に長く広がっているため、西側の会津地方は日本海側の気候に分類されます。喜多方市や南会津町、下郷町、只見町には豪雪が降り積もるので、会津を観光するなら比較的雪の少ない会津若松市に拠点を置くといいでしょう。
積雪の少ない地域
東北6県では、宮城県と福島県の2県のみが「全域豪雪地域」に指定されていません。冬の旅行でも、以下のようなエリアなら寒さや交通機関の乱れの影響を受けずに、快適な観光ができるでしょう。
宮城県全域
大雪を降らす雪雲が奥羽山脈にぶつかって水分を失う影響で、宮城県はどのエリアも降雪量は少なめです。12月に大規模なイルミネーションイベントが行われる仙台駅周辺は、東北各県から訪れた多くの観光客で賑わいます。都会的な景色が印象的な仙台も、寒さはやはり東北地方。帽子や手袋、カイロなどの防寒対策をしっかりして出かけましょう。
福島県沿岸部
茨城県との県境に位置するいわき市は、冬はほとんど雪が積もらない地域です。冬の東北で車を運転するには冬用タイヤが必須ですが、いわき市街に限っては普通のタイヤでも1年を越せるといわれています。いわき市には、スパリゾートハワイアンズや水族館・アクアマリンふくしまなど屋内型の観光施設が豊富なので、冬の旅行も雪に左右されずに楽しめるでしょう。
雪と寒さ対策をしっかりして東北の旅を楽しもう
奥羽山脈を境に、気候の特性が異なる東北地方。宮城県を除く各県にはドカ雪が降る豪雪地帯が必ずあるので、旅行のルートを考えるときは冬の平均降雪量を必ずチェックするようにしましょう。いくら雪が少ない地域といっても、気温が低ければ数cmは雪が積もるものなので、旅行の際は長靴や滑り止めのついたブーツを用意して転倒を防いでくださいね!