佐渡市認証米「朱鷺と暮らす郷」とはについて詳しくご紹介

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佐渡市認証米「朱鷺と暮らす郷」とは

佐渡市認証米「朱鷺と暮らす郷」とは

  • 自然

新潟の名産といえば、収穫量・作付け面積ともに全国1位を誇る”米”!新潟の代表的品種である「コシヒカリ」は、お米のトップブランドとして全国で長年愛されています。そんな新潟の米作りが、日本海最大の離島・佐渡島でも行われていることをご存じですか?

今回は、佐渡産のコシヒカリブランド「朱鷺と暮らす郷」についてご紹介します。

「朱鷺と暮らす郷」とは

「朱鷺と暮らす郷」とは
「朱鷺と暮らす郷」は、2008年より佐渡市で立ち上げられた、国の特別天然記念物・トキの餌場確保と生物多様性の米づくりを目的とした「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」に沿った独自の栽培方法で作られたお米です。

新潟県が、環境にマイナスの影響を与えない農業を推進することを認定した農業者「エコファーマー」によって、土づくりから手がけ、農薬・化学肥料を減らして栽培されています。厳しい基準をクリアしたお米はややさっぱりめの食感で、魚沼産よりも好みの方もいらっしゃるそうです。

「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」ができるまで

「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」ができるまで

佐渡とトキ

トキは、かつてはほぼ日本全土で普通に見られる鳥でした。明治頃になると、肉や羽を求めて多数が狩猟されます。また、農薬の使用による餌の減少や生息地の環境破壊により個体数が一気に減少。そして日本最後の生息地となったのが、昔からの棚田が残り、トキにとって生息しやすい土地だった佐渡島でした。

1981年、最後まで生き残っていた野生のトキ5羽を保護し、その後人工飼育が続けられましたが、2003年に日本産トキが絶滅。しかし、1999年佐渡トキ保護センターで、中国から贈呈されたトキの人工繁殖に日本で初めて成功。そして2008年9月25日、念願であったトキの第一回自然放鳥が行われ、10羽のトキが佐渡の大空へ羽ばたきました。以降毎年放鳥は続いており、現在野生下で推定500羽以上のトキが佐渡に生息しています。

トキを守るための米作り

佐渡市では、今後トキが定着して暮らせる環境を推進していくため、そしてトキと人が共生する環境を作り出していくため、2008年に「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」を立ち上げました。「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」では、以下の6つの基準を設定しています。

・佐渡で栽培されたお米であること

・生産者がエコファーマーの認定を受けていること

・農薬や化学肥料を削減し栽培されたお米であること

・「生きものを育む農法」で栽培されたお米であること

・生きもの調査を年2回実施していること

・水田畦畔等に除草剤を散布していない水田で栽培されたこと。

これらの基準をクリアしたお米は「朱鷺と暮らす郷づくり認証米」として認定され、認定マークを使用して販売することができます。「生きものを育む農法」とは、農薬や化学肥料を削減するだけでなく、水田とその周囲に生きもののための生息環境を作り出す農法です。田んぼから水を抜く際、田んぼに棲む生きものたちが逃げるための江(水辺)の設置、雪が積もる冬の間も生きものが生息できるよう田んぼを湿地状態に保つ「ふゆみずたんぼ」、田んぼと水路を生きものが自由に行き来できる「魚道」の設置などが取り組みとして挙げられます。「生きものを育む農法」により、魚・昆虫などの動物や水辺の植物を育み、それらを餌にするトキも暮らしやすい環境へと作り出すことができます。

この制度の開始を契機に、佐渡全体にトキを中心とした環境づくりを重視する米作りが広がり、現在では「朱鷺と暮らす郷」認証米や、5割減減米(地域慣行基準より化学合成農薬5割減・化学肥料5割減)が主の農業へ変化しています。そしてその変化は、野生のトキの個体数にも表れており、「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」設立当時に立てられた目標数を上回る結果となっています。これらの取り組みは世界にも認められ、2011年に世界農業遺産(GIAHS)に登録されました。

トキと人が共存する佐渡へ

トキと人が共存する佐渡へ
かつては人の暮らしを優先するあまり生活の場が壊され、佐渡の自然から姿を消していたトキ。それから40年、佐渡の人々による努力と協力により、トキは再び佐渡の大空を舞うようになりました。トキと佐渡が共存する環境を未来に繋げていくために、佐渡市では今後も豊かな生態系を創造する自然を作っていきます。
「朱鷺と暮らす郷」は、米の販売1kgあたり1円が「佐渡市トキ環境整備基金」へと寄付され、トキの生息環境の向上に役立てられます。是非、「朱鷺と暮らす郷」を食べて、トキの暮らしを守る一人となってみてはいかがですか?

佐渡市認証米「朱鷺と暮らす郷」とは

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